「旋光の輪舞」のライセンス契約締結について(補足)

マルヤマです。

今回はユーザーの皆様にご報告する事柄があります。

TOPにもありますが、弊社からリリース(リンク先)を出させていただきました。
メディアスケープ社からも同様のリリースを発信されています。

今回のグレフ通信では、上記の件について少し噛み砕いて説明させていただきます。

リリース本文の”経緯”に記載されている通り、昨年末にPSVitaのテーマとして配信開始した「幻想の輪舞」という同人ゲームについて、その発売元であるメディアスケープ社に警告文の前段階である通告という形で、弊社の権利を侵害していますよ、という連絡をさせていただきました。

正直な話を申し上げますと、数年前同人ソフトとしてPCで同タイトルが発売されている、という情報は既に把握しておりました。
ここで少し話は逸れますが、弊社の同人ソフトなどにおける著作権対応スタンスですが、

「法人として商売しているのでなく、個人でファン活動としてやっているものであれば黙認」

です。
上記、明確な線引をしているわけではないのですが、個人的見解として、そういった”黒に近いグレー”と言える同人世界において、尚そこから生み出される何かがあるのではないかと常々考えておりますので、上記のようなスタンスを会社として取らせていただいております。

しかしながら、今回は法人としてPS系のプラットフォームに参入した上での話ですから、それは看過できないですよ、ということになります。
ですので、リリースに記載の経緯の通り連絡をした次第です。

次に、「権利を侵害されたのにライセンスを出すの?」という疑問を持つ方もいらっしゃることと思います。そちらについて説明いたします。

こちらもリリースで少し触れておりますが、まず大前提として「迅速に対応し、弊社の権利を認めてもらったこと」が大きいです。
これが拗れなかったため、弊社としては(最悪、弁護士などを雇うことになるための)費用負担がほぼ無かったこと、感情的にも揉めなかったというのが幸いしています。

その上で、いろいろ話し合いをさせていただき、その結果「Play,Doujin!」という企画コンセプトを応援かつ一石を投じようと、今回のライセンス許諾に至りました。

何故、応援するのかというと、昨今の家庭用ソフト(※弊社的には「アーケード・家庭用」としたいところですが、そこは本筋ではないので省略)市場への危機感と、将来的な開発者の不足に対する危機感が根底にあります。

市場への危機感については皆まで言うまでもありませんが、弊社も2012年以降、自社ブランドでソフトを出せていないという現状、非常に厳しい状況に晒されております。
弊社は(下請けではありますが)まだ家庭用ゲームの開発を続けておりますが、周囲の中小ゲームメーカーの多くは家庭用ゲームの開発を事実上断念しています。

10年前、「アーケードゲームに憧れて」弊社への入社を希望する学生さんはまだ数名いらっしゃいました。ここ数年、残念ながらそういう学生さんは居なくなりました。
これを「家庭用ゲーム」に置き換えていただければ…恐らくあと5~6年で“そのような状況”に陥ると推測します。

その上で、「Play,Doujin!」という今回の企画は、アマチュアまたはセミプロ開発者が表舞台に出てくるという意味で、格好の「プロへの登竜門」になり得るものだと考えております。また、そうあって欲しいと思います。

しかし現実問題として、先にも述べた通り、アマチュアであるが故の「同人」の問題…権利関係にグレーなものが多々あるという側面もあります。
純然たるアマチュアリズムである「同人」において、そのグレーな部分を排除することは、決してよい結果にならない、と思います。

そこで、「プロへの”登竜門”をくぐるために、グレーな権利関係をクリアする」と希望する者に対して、その先例になること…それこそが今回の「Play,Doujin!」の企画の意義になるのではないか、と考えた次第です。

これが、弊社がライセンス許諾をした理由です。

本業のマスターアップ前でバタバタしている中での文章となり、乱文かも知れませんが、意図だけでも汲み取っていただければ幸いです。

さて、次の更新は事務所移転の前後でしょうかね?
いろいろ発表することもありますので、少しだけ興味を持って次回グレフ通信をお待ちください。

それでは!

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